そういえばこれで見直したんだったなぁ。野田佳彦(ミンス)


平成17年10月17日提出
質問第21号

  「戦犯」に対する認識と内閣総理大臣靖国神社参拝に関する質問主意書

提出者  野田佳彦



「戦犯」に対する認識と内閣総理大臣靖国神社参拝に関する質問主意書


10月17日、小泉総理は靖国神社の社頭参拝を行ったが、これに対して各方面から批判が上がっている。

内閣総理大臣靖国神社参拝に反対する理由として挙げられるのが、「A級戦犯」という戦争犯罪人が合祀されている靖国神社内閣総理大臣が参拝することは、日本が軍国主義を美化するあらわれとなる、という論理である。中国ならびに韓国からも同様の理由で、内閣総理大臣靖国神社参拝に関して反対が表明されている。

小泉総理は、今年6月2日の予算委員会において、参拝の理由を「軍国主義を美化するものではないし、日本が軍事大国になるために行っているのではない。この平和のありがたさをかみしめよう、二度と国民を戦場に駆り立てるようなことはしてはいけない、そういう気持ちを込めて」と述べると同時に、靖国神社に合祀されている「A級戦犯」を「戦争犯罪人であるという認識をしている」と述べている

小泉総理がA級戦犯」を戦争犯罪人と認めるかぎり、総理の靖国神社参拝の目的が平和の希求であったとしても、戦争犯罪人が合祀されている靖国神社への参拝自体を軍国主義の美化とみなす論理を反駁はできない

極東国際軍事裁判に言及したサンフランシスコ講和条約第11条ならびにそれに基づいて行われた衆参合わせ4回に及ぶ国会決議と関係諸国の対応によって、A級・B級・C級すべての「戦犯」の名誉は法的に回復されている。

すなわち、「A級戦犯」と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではないのであって、戦争犯罪人が合祀されていることを理由に内閣総理大臣靖国神社参拝に反対する論理はすでに破綻していると解釈できる。

極東国際軍事裁判で「A級戦犯」として裁かれた人々の法的地位を誤認し、また社会的誤解を放置しているとすれば、それは「A級戦犯」とされた人々の人権侵害であると同時に、内閣総理大臣靖国神社参拝に対する合理的な判断を妨げるものとなる。

内閣総理大臣靖国神社参拝は国際政治的な利害を踏まえて最終的な判断がなされるべきだとしても、「A級戦犯」に対する認識を再確認することは、人権と国家の名誉を守るために、緊急を要すると考える。

 従って、次の事項について質問する。




一 「戦犯」の名誉回復について

 1 極東国際軍事裁判に言及したサンフランシスコ講和条約第11条において、「これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基づくの外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基づくの外、行使することはできない」とある。

これは、日本国政府が勧告し、さらに刑を課した国ならびに極東国際軍事裁判所の場合は裁判所に代表者を出した政府の過半数が決定すれば、拘禁されているものは赦免、減刑仮出獄されるという意味に相違ないか。


 2 昭和27年5月1日、木村篤太郎法務総裁から戦犯の国内法上の解釈について変更が通達された。これによって戦犯拘禁中の死者はすべて「公務死」として、戦犯逮捕者は「抑留又は逮捕された者」として取り扱われることとなった。

さらに「戦傷病者戦没者遺族等援護法」の一部が改正され、戦犯としての拘留逮捕者を「被拘禁者」として扱い、当該拘禁中に死亡した場合はその遺族に扶助料を支給することとなった。

これら解釈の変更ならびに法律改正は、国内法上は「戦犯」は存在しないと政府も国会も認識したからであると解釈できるが、現在の政府の見解はどうか。


 3 昭和27年6月9日、参議院本会議において「戦犯在所者の釈放等に関する決議」、同年12月9日、衆議院本会議において「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」がなされ、昭和28年8月3日、衆議院本会議においては「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」が全会一致で可決され、昭和30年には「戦争受刑者の即時釈放要請に関する決議」がなされた。

サンフランシスコ講和条約第11条の手続きに基づき、関係11カ国の同意のもと、「A級戦犯」は昭和31年に、「BC級戦犯」は昭和33年までに赦免され釈放された。

刑罰が終了した時点で受刑者の罪は消滅するというのが近代法の理念である。赦免・釈放をもって「戦犯」の名誉は国際的にも回復されたとみなされるが、政府の見解はどうか。


 4 「A級戦犯」として有罪判決を受け禁固7年とされた重光葵は釈放後、鳩山内閣の副総理・外相となり、国連加盟式典の代表として戦勝国代表から万雷の拍手を受けた。また、それらの功績を認められ勲一等を授与されている。同じく終身刑とされた賀屋興宣は池田内閣の法相を務めている。

これらの事実は「戦犯」の名誉が国内的にも国際的にも回復されているからこそ生じたと判断できる。仮にそうではなく、名誉が回復されていないとするならば、日本国は犯罪人を大臣に任命し、また勲章を与えたということになるが、政府はこれをいかに解釈するか。


 5 「A級戦犯」として受刑し、刑期途中で赦免・釈放された重光葵賀屋興宣らの名誉が回復されているとすれば、同じ「A級戦犯」として死刑判決を受け絞首刑となった東條英機以下7名、終身刑ならびに禁固刑とされ服役中に獄中で死亡した5名、判決前に病のため病院にて死亡した2名もまた名誉を回復しているはずである。仮に重光葵らの名誉は回復されており、東條英機以下の名誉は回復されていないと政府が判断するならば、その理由はいかなるものか。


 6 すべての「A級戦犯」の名誉が国内的にも国際的にも回復されているとすれば、東條英機以下14名の「A級戦犯」を靖国神社が合祀していることにいかなる問題があるのか。また、靖国神社内閣総理大臣が参拝することにいかなる問題があるか。


二 極東国際軍事裁判について

 1 日本が受諾したポツダム宣言には、「戦争を起こした人間を裁く」とは一切書かれていない。また、弁護団の一人であった清瀬一郎弁護士は、「ポツダム宣言の時点において)国際法のどこを見ても先進国のどこの法律でも『平和に対する罪』『人道に対する罪』という戦争罪など規定していない。だからA級といわれる戦争犯罪などは存在しない。もしあるとしたら、その管轄はどこにあるのか」と質問しているが、これに対してウェッブ裁判長は「いまは答えられない。あとで答える」と述べている。

すなわち、「平和に対する罪」「人道に対する罪」に該当する「A級戦犯」とは、極東国際軍事裁判当局が事後的に考えた戦争犯罪の分類であり、法の不遡及罪刑法定主義が保証されず、法学的な根拠を持たないものであると解釈できるが、政府の見解はどうか。


 2 「A級戦犯」が法学的に根拠を持たないとすれば、「A級戦犯」はそもそも戦争犯罪人に該当しないと解釈できるが、政府の見解はどうか。


 3 日本政府は、昭和41年に、極東国際軍事裁判の裁判官の一人として、同裁判の判決を全面的に否定したインドのパール判事に対して勲一等瑞宝章という、他の極東国際軍事裁判経験者には与えていない高ランクの勲章を与えているが、これはいかなる理由であるか。


 4 昭和26年10月17日、衆議院平和条約及び日米安全保障条約特別委員会で、西村熊雄外務省条約局長はサンフランシスコ講和条約は「日本は極東軍事裁判所の判決その他各連合国の軍事裁判所によつてなした裁判を受諾いたすということになつております」と答えている。

また、同年11月14日には、大橋武夫法務総裁が衆議院法務委員会で、「裁判の効果というものを受諾する。この裁判がある事実に対してある効果を定め、その法律効果というものについては、これは確定のものとして受入れるという意味であると考える」と述べている。

 一方、昭和61年に当時の後藤田正晴官房長官が、「裁判」を受け入れたとの見解を示して以来、現在の外交当局の見解も後藤田見解と同様となっている

 判決あるいは裁判の効果を受諾したとする場合、裁判の内容や正当性については必ずしも受け入れないが、その結果については受け入れたと解釈できる。

一方、裁判を受諾したとする場合は、日本は「南京大虐殺二十数万」や「日本のソ連侵略」等の虚構も含め、満州事変以来一貫して侵略戦争を行っていたという解釈を受け入れたことになる

 日本政府が見解を変えた理由は何か。

 右質問する。



麻生太郎外相ぉ。頼もしいねぇ。

        麻生氏「侵略のみでない」


麻生氏「侵略のみでない」、安倍氏「歴史家が判断を」

 16日の衆院予算委員会安倍晋三官房長官麻生太郎外相のポスト小泉候補2人が、先の戦争に関する歴史認識をただされる一幕があった。

民主党笹木竜三氏の質問に、麻生外相は「マッカーサー侵略戦争のみとは言い難いと認めていた」と指摘。「自衛戦争」との見方もできるとの考えを示した

 安倍官房長官は「戦争を定義づけるのは政府の仕事ではない。歴史家の判断を待つしかない」と踏み込まなかったが、極東国際軍事裁判東京裁判)の判決の有効性については「戦勝国によって裁かれたものだ」と指摘。国内法では犯罪人とはいえないとの見解を示した。 (23:00)

公文書に残ってるものなのだから、遠慮せずに指摘するのが正解っしょ。

        対訳 マッカーサー証言


Strategy Against Japan In World War II
第二次世界大戦における対日戦略

Senator Hickenlooper.
ヒッケンルーパー上院議員

Question No. 5: Isn't your proposal for sea and air blockade of Red China the same strategy by which Americans achieved victory over the Japanese in the Pacific?

5番目の質問です。赤色中国に関する海と空からの封鎖という貴官の提案は、太平洋において米国が日本に勝利を収めた際の戦略と同じではありませんか。

General MacArthur.
マッカーサー将軍

Yes, sir.

そうです。

In the Pacific we bypassed them.

太平洋では、米国は日本を迂回しました。

We closed in.

そして閉じ込めたのです。

You must understand that Japan had an enormous population of nearly 80 million people, crowded into 4 islands.

日本が抱える8,000万人に近い膨大な人口は、4つの島に詰め込まれていたということをご理解いただく必要があります。

It was about half a farm population. The other half was engaged in industry.

そのおよそ半分は農業人口であり、残りの半分は工業に従事していました。

Potentially the labor pool in Japan, both in quantity and quality, is as good as anything that I have ever known.

潜在的に、日本における予備労働力は、量的にも質的にも、私が知る限りどこにも劣らぬ優れたものです。

Some place down the line they have discovered what you might call the dignity of labor, that men are happier when they are working and constructing than when they are idling.

いつの頃からか、彼らは、労働の尊厳と称すべきものを発見しました。つまり、人間は、何もしないでいるときよりも、働いて何かを作っているときの方が幸せだということを発見したのです。

This enormous capacity for work meant that they had to have something to work on.

このように膨大な労働能力が存在するということは、彼らには、何か働くための対象が必要なことを意味しました。

They built the factories, they had the labor, but they didn't have the basic materials.

彼らは、工場を建設し、労働力を抱えていましたが、基本資材を保有していませんでした。

There is practically nothing indigenous to Japan except the silkworm.

日本には、蚕を除いては、国産の資源はほとんど何もありません。

They lack cotton, they lack wool, they lack petroleum products, they lack tin, they lack rubber, they lack a great many other things, all of which was in the Asiatic basin.

彼らには、綿が無く、羊毛が無く、石油製品が無く、スズが無く、ゴムが無く、その他にも多くの資源が欠乏しています。それらすべてのものは、アジア海域に存在していたのです。

They feared that if those supplies were cut off, there would be 10 to 12 million people unoccupied in Japan.

これらの供給が断たれた場合には、日本では、1,000万人から1,200万人の失業者が生まれるという恐怖感がありました。

Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.

したがって、彼らが戦争を始めた目的は、主として安全保障上の必要に迫られてのことだったのです。



 上記のマッカーサー証言は、昭和26年5月3日、米国議会上院の軍事外交合同委員会で行われた質疑応答の一部です。


参考文献
『東京裁判 日本の弁明』小堀桂一郎、講談社学術文庫
和文では、上記文献の訳を参考にしつつ、自分で翻訳しました。

 ちなみに、同じ5月3日に、マッカーサーは「太平洋において米国が過去100年間に犯した最大の政治的過ちは共産主義者を中国において強大にさせたことだと私は考える」とも証言しています。…

長年にわたり渡部昇一せんせの仰って来たことが、今、実りましたですネ。

ちなみに全文は月刊誌『正論』サイトに載ってるよね。マッカーサー米議会証言録(原文)-1951年5月3日〜5日、米上院軍事・外交合同委員会聴聞会より- 「過去の掲載原文」